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NATとは?プライベートIPとグローバルIPをつなぐ仕組みを未経験向けに解説

#NAT#ネットワーク#IPアドレス#初心者#未経験

未経験の転職活動でネットワークの基礎を調べていると、「社内のパソコンは192.168から始まるIPアドレスなのに、インターネット上では別の番号で見えている」という場面に出会うことがあります。家庭用ルーターや会社のネットワークがどうやって1つのグローバルIPアドレスで複数の機器を外部につないでいるのか、仕組みを知らないまま丸暗記になってしまいがちです。結論から言うと、NATとは、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換して、限られたグローバルIPアドレスで多数の機器をインターネットにつなぐ仕組みだと捉えると理解しやすくなります。この記事では、NATが何をしているのか、プライベートIPとグローバルIPの関係、変換の仕組み、現場で関わる場面までを未経験向けに整理します。

プライベートIPとグローバルIPをNATが変換して1つの出口にまとめるイメージ

NATとは何か

NAT(Network Address Translation)は、ネットワークの内側で使われるプライベートIPアドレスと、インターネット上で使われるグローバルIPアドレスを相互に変換する技術です。家庭やオフィスのネットワークでは、ルーターの内側にある複数のパソコンやスマートフォンが、それぞれ192.168.x.xのようなプライベートIPアドレスを持っています。これらの機器がインターネットにアクセスするとき、ルーターが送信元のプライベートIPアドレスを1つのグローバルIPアドレスに変換してから外部へ送り出します。NATがあることで、グローバルIPアドレスを機器1台ごとに用意しなくても、1つのグローバルIPアドレスを複数の機器で共有できるようになっています。

プライベートIPとグローバルIPの関係

NATを理解するには、プライベートIPとグローバルIPの違いを整理しておくと分かりやすくなります。IPアドレスとは?で解説した住所の例えで言うと、プライベートIPは建物の中だけで通じる部屋番号、グローバルIPは外部からその建物を特定するための住所に近い関係です。

種類使われる範囲例
プライベートIPネットワーク内部だけで通じる番号192.168.x.x / 10.x.x.x など
グローバルIPインターネット上で一意に識別される番号インターネット経由で到達できる番号

同じ192.168.x.xという番号が、別の会社や家庭のネットワークでも重複して使われていて構わないのは、プライベートIPがその内部だけで通じる番号だからです。外の世界とやり取りする段になって初めて、NATがグローバルIPアドレスへの変換を担います。

NATが変換の対応を覚える仕組み

NATを行う機器(ルーターやAWSのNATゲートウェイなど)は、内部の機器が外部との通信を始めるたびに、「どのプライベートIPアドレスの通信を、どのグローバルIPアドレスの通信に変換したか」という対応表を一時的に作成します。

  1. 内部の機器が、プライベートIPアドレスを送信元としてインターネットへ通信を送る
  2. NATを行う機器が、送信元をグローバルIPアドレスに書き換えて外部へ転送する
  3. 戻ってきた通信を対応表と照合し、元のプライベートIPアドレス宛てに書き換えて内部へ戻す

この対応表があるからこそ、外部から見ると1つのグローバルIPアドレスからの通信に見えても、内部では複数の機器がそれぞれ正しく通信を受け取れる仕組みが成立しています。対応表には有効期限があり、一定時間通信がない組み合わせは削除されるため、NAT機器のメモリを使い続けることもありません。

ポート番号まで使う変換(NAPT)

実際の家庭用ルーターやオフィスのネットワークで広く使われているのは、IPアドレスだけでなく送信元のポート番号も組み合わせて変換するNAPT(IPマスカレードと呼ばれることもあります)です。同じグローバルIPアドレスであっても、内部の機器ごとに使うポート番号を割り振り直すことで、1つのグローバルIPアドレスの裏側に多数の機器がいても、戻ってきた通信をどの機器宛てか正しく区別できます。家族全員が同時にインターネットを使っても通信が混ざり合わないのは、この仕組みのおかげです。

現場でNATに関わる場面

インフラの現場では、次のような場面でNATの知識が関わってきます。

  • AWSのNATゲートウェイ: VPCとは?で解説したプライベートサブネットの機器が、インターネットへ出ていくための出口として使われる
  • 社内ネットワークの設計: オフィス内の機器をどのプライベートIP帯で管理し、どの経路でNATを通すかを決める作業
  • 通信トラブルの切り分け: 「外部から社内の機器に直接アクセスできない」という問い合わせが、NATの仕組み上当然の挙動なのか、設定ミスなのかを見極める場面

現役でインフラの現場にいる立場から言うと、NATの仕組みを理解していないと、ファイアウォールとは?で触れた通信制御の設定と、NATによる変換を混同してしまい、障害調査で切り分けに時間がかかることがあります。どちらも「通信をどう扱うか」に関わる機能ですが、役割はまったく別のものとして分けて覚えておくと理解がスムーズです。

InfraDojoで学ぶ

InfraDojoなら、ブラウザ上の演習環境でネットワークの基礎を手を動かしながら学べるため、NATのようにイメージだけでは掴みにくい仕組みも、実際の設定や通信の流れを確認しながら理解を進められます。ネットワークをどこから学べばいいか迷う場合は、ロードマップで全体の流れを確認しておくと、NATを学ぶタイミングも判断しやすくなります。

よくある質問

Q. NATとファイアウォールは同じものですか?

別のものです。NATはプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する仕組みで、ファイアウォールは通信を許可するか遮断するかを判断する仕組みです。多くのルーターが両方の機能を1台でまとめて持っているため同じものに見えがちですが、役割は分けて理解しておくと設定の意図を読み取りやすくなります。

Q. NATを使うと通信は安全になりますか?

NATそのものは安全性を保証する仕組みではありません。外部から内部の機器へ直接アクセスしにくくなるという副次的な効果はありますが、内部の通信制御や脆弱性への対策は別に必要です。NATの効果を安全対策として過大に見積もらないようにしましょう。

Q. 未経験のうちからNATの仕組みを学ぶ必要はありますか?

必須ではありませんが、プライベートIPとグローバルIPの違いを理解したあとの延長として押さえておくと、AWSのVPC設計や社内ネットワークの通信トラブルの切り分けで話についていきやすくなります。

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この記事を書いた人: InfraDojo運営者(Reo|インフラエンジニア)

現役インフラエンジニア。SESの現場経験に基づき、未経験からのインフラ転職と学習を支援しています。InfraDojoは、ブラウザ上のターミナルで実際に手を動かして学べるインフラ学習サイトです。

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