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マルチAZとリージョンとは?AWSの可用性設計を未経験向けに解説

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「可用性の高い設計」という言葉は求人票や設計資料でよく見かけますが、未経験のうちは何を指しているのか曖昧なまま読み進めてしまうことが多いものです。AWSの可用性設計を理解する出発点になるのが、リージョンとアベイラビリティーゾーン(AZ)という2つの単位です。結論から言うと、リージョンは地理的に離れた「データセンター群の集合」、AZはそのリージョン内にある独立した「電源・ネットワークを分けた施設のまとまり」だと捉えると整理しやすくなります。この記事では、リージョンとAZがそれぞれ何を指すのか、マルチAZ構成でなぜ可用性が上がるのか、リージョンを分けて設計する場面までを未経験向けに解説します。

リージョンという地域の中に複数の独立したAZがあり、サーバーを分けて配置するイメージ

リージョンとは何か

AWSのリージョンとは、東京・大阪・バージニア北部のように、世界各地に用意された独立したデータセンター群の単位です。クラウド(AWS)とは?で触れたように、AWSは自前のデータセンターを持たなくても必要な分だけサーバーやストレージを使える仕組みですが、その実体は各地のリージョンに置かれた物理的な設備の上で動いています。

日本からサービスを提供する場合は、利用者に近く通信の遅延(レイテンシ)が小さい東京リージョンを選ぶことが多く、どのリージョンを使うかは設計の最初に決める項目のひとつです。料金や使えるサービスの範囲もリージョンによって多少異なります。

アベイラビリティーゾーン(AZ)とは何か

1つのリージョンの中は、さらに複数のアベイラビリティーゾーン(AZ)に分かれています。AZとは、電源・ネットワーク・場合によっては建物そのものを分けた、独立性の高い施設のまとまりのことです。東京リージョンのように、1つのリージョンに複数のAZが用意されているのが一般的で、あるAZで電源障害やネットワーク障害が起きても、別のAZは影響を受けずに動き続けられるように設計されています。

VPCとは?で解説したサブネットは、作成するときにどのAZに置くかを指定する仕組みになっており、AZという単位を意識し始めるのは多くの場合このタイミングです。

マルチAZ構成で実現できる可用性

サーバーを1つのAZだけに置く構成は、そのAZで障害が起きるとサービス全体が止まってしまいます。これに対して、同じ役割のサーバーを複数のAZへ分散して配置する構成を、マルチAZ構成と呼びます。

マルチAZ構成の考え方は、次の3つの要素で成り立っています。

  1. 分散配置: 同じ役割のサーバーを異なるAZへそれぞれ用意する
  2. 振り分け: ロードバランサーとは?で解説した仕組みが、複数AZのサーバーへ通信を振り分ける
  3. 切り替え: 片方のAZで障害が起きても、残ったAZだけで処理を続けられるようにしておく

1つのAZが止まってもサービスは止まらない、という状態を作ることがマルチAZ構成の目的であり、コストが多少増えても可用性を優先する場面で採用されます。データベースでも、メインとなるAZとは別のAZに待機用の複製を置く構成がよく使われます。

リージョンを分ける設計

マルチAZ構成はあくまで1つのリージョンの中の話です。これに対して、東京リージョンと大阪リージョンのように、複数のリージョンへシステムを分散させる設計も存在します。

単位想定する障害の範囲主な目的
マルチAZ1つの施設・電源・ネットワークの障害リージョン内での可用性の確保
マルチリージョン地震などによるリージョン全体の停止災害対策(DR)、利用者が多い地域でのレイテンシ短縮

リージョンをまたぐ設計は、AZをまたぐ設計よりも難易度とコストが大きく上がります。すべてのシステムでマルチリージョンが必要というわけではなく、求められる可用性のレベルに応じて、マルチAZまでにするかマルチリージョンまで広げるかを選ぶという考え方が基本になります。

現場でAZ・リージョンに関わる場面

未経験から現場に入ってすぐにリージョン構成そのものを設計する機会は少ないですが、関わる場面自体は早い段階からあります。

  • サーバーやデータベースを新しく作るときの配置確認: 既存の構成がどのAZに分散しているかを確認し、同じ考え方で追加する場面
  • 障害対応での切り分け: 障害が特定のAZだけで起きているのか、サービス全体に広がっているのかを確認する場面
  • 構成図を読む場面: 設計書や構成図に書かれたAZ・リージョンの表記を理解し、現在の構成を正しく把握する場面

現役でインフラの現場にいる立場から言うと、障害が起きたときにまず確認するのは「影響がAZ単位にとどまっているか、リージョン全体に広がっているか」という切り分けです。この視点を持っているだけで、障害対応の初動が落ち着いて進められるようになります。

InfraDojoで学ぶ

InfraDojoなら、ブラウザ上の演習環境でAWSの基礎を手を動かしながら学べるため、リージョンやAZのようにイメージだけでは掴みにくい仕組みも、実際の構成を確認しながら理解を進められます。AWSをどこから学べばいいか迷う場合は、ロードマップで全体の流れを確認しておくと、可用性設計を学ぶタイミングも判断しやすくなります。

よくある質問

Q. AZの数はすべてのリージョンで同じですか?

いいえ、リージョンによって用意されているAZの数は異なります。AZの数が多いリージョンもあれば、少ないリージョンもあります。

Q. マルチAZ構成にすると料金はどのくらい上がりますか?

サーバーやデータベースの台数が増える分、構成しない場合より料金は上がります。目安としては、同じ役割の構成をもう1セット用意する分のコストが増えると考えておくと把握しやすくなります。

Q. 未経験のうちからリージョン・AZの違いを理解しておく必要はありますか?

必須ではありませんが、クラウドの基礎を理解したあとであれば無理なく学べる範囲です。障害対応やVPCの設計を学ぶ前に押さえておくと、後の理解がスムーズになります。

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この記事を書いた人: InfraDojo運営者(Reo|インフラエンジニア)

現役インフラエンジニア。SESの現場経験に基づき、未経験からのインフラ転職と学習を支援しています。InfraDojoは、ブラウザ上のターミナルで実際に手を動かして学べるインフラ学習サイトです。

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