「未経験からインフラエンジニアを目指すなら、まずLPICを取るべき」——転職の情報を調べると必ず出てくるアドバイスです。結論から言うと、資格は有効ですが、取る順番を間違えると遠回りになります。先に手を動かして基礎を作り、その仕上げとして資格を使うのが、現役でインフラの現場にいる立場から言うと最も効率の良い順番です。
この記事では、LPIC・LinuCが未経験転職でどう評価されるのか、いつ取るべきか、資格より先にやるべきことを整理します。
LPIC・LinuCとは。未経験転職での評価は「ゼロではないが決定打でもない」
LPICとLinuCは、どちらもLinuxの知識を証明する資格です。LPICは国際資格、LinuCは日本市場向けの資格で、内容は近く、未経験転職での評価もほぼ同等と考えて問題ありません。
採用側から見た評価を正直に書くと、次のような位置づけです。
| 見られ方 | 実際のところ |
|---|---|
| 学習意欲の証明 | 効果あり。独学をやり切った証拠として機能する |
| スキルの証明 | 限定的。暗記で受かることを採用側も知っている |
| 応募条件のクリア | 一部のSES企業では書類通過率が上がる |
| 実務力の証明 | ほぼ効果なし。面接の技術質問で実力は見抜かれる |
つまり、資格は「書類で足切りされない・意欲を示す」ためには役立ちますが、それだけで採用が決まるものではありません。面接で「pingは何のためのコマンドですか」と聞かれて手が動くイメージが湧かない状態だと、資格を持っていても評価は伸びません。
資格より先に、手を動かせる状態を作る
未経験の応募者を面接する側が一番知りたいのは、「入社後に手を動かせるか」です。資格の有無より、次のような状態のほうが強く評価されます。
- 基本的なコマンド操作が体に入っている(ls、cd、権限、プロセス、ログ確認など)
- 「サーバーにログインして、ログを見て、原因を切り分ける」という一連の流れを説明できる
- 学習の記録が残っていて、継続力の証拠として提示できる
この状態を作ってからLPICの教科書を開くと、暗記だったはずの内容が「あれのことか」と経験に紐づいて、学習速度そのものが上がります。逆に、コマンドを打ったことがない状態で教科書から入ると、意味の分からない用語の暗記になり、ここで挫折する人が多いのです。
学習の順番に迷っている方は、Linuxの勉強は何から始める?で全体の流れを解説しています。この「手を動かせる状態」は、演習形式のLinux学習ロードマップを上から進めることでも作れます。
取るならどれ?レベルと目安
先に基礎を作ったうえで取るなら、狙いどころは次のとおりです。
- LPIC-1(またはLinuC レベル1): 未経験転職ではここで十分です。101と102の2試験に合格して認定。学習時間の目安は、手を動かした経験があれば1〜2ヶ月程度、ゼロからだと3ヶ月以上かかることが多いです
- LPIC-2以上: 未経験転職の段階では不要です。実務に入ってから、構築フェーズへ進む武器として検討するのが実態に合っています
受験料は1試験あたり数万円かかるため、「とりあえず受ける」には重い出費です。基礎を作ってから短期集中で仕留めるほうが、費用の面でも合理的です。
現実的なおすすめの順番
現場と採用の実情を踏まえると、未経験転職までの順番はこう組むのがおすすめです。
- まず手を動かしてLinuxとネットワークの基礎を作る(1〜2ヶ月)
- 学習の記録を残し、職務経歴書に書ける実績にする
- 転職活動を開始する。並行してLPIC-1の学習を進め、「LPIC-1学習中(○月受験予定)」と書く
- 内定または入社後に合格して、資格手当や現場異動の材料にする
ポイントは、資格の合格を転職活動の開始条件にしないことです。「資格を取ってから応募しよう」と考えると活動開始が数ヶ月遅れますが、採用側は「学習中で、手が動いて、記録がある」応募者を十分に評価します。学習実績の作り方は職務経歴書で評価される学習実績の作り方で詳しく解説しています。
InfraDojoなら、ブラウザを開くだけでLinuxとネットワークの演習環境が使えます。キャリアロードマップは1日1時間・約2ヶ月で「手が動く基礎」を作る設計になっており、学習ログが自動で残るため、そのまま転職活動の実績として使えます。資格学習の前段として活用してください。
よくある質問
Q. LPICとLinuC、どちらを取るべきですか?
未経験転職での評価はほぼ同等です。国内企業への転職ならどちらでも問題ありません。教材の充実度や受験のしやすさで選んで大丈夫です。迷って学習が止まるくらいなら、どちらかに即決して進むほうが得です。
Q. 資格なしでも転職できますか?
できます。実際、資格なしで転職している人は珍しくありません。ただしその場合、手を動かした学習の記録や面接での受け答えなど、資格の代わりに意欲と基礎力を示す材料が必要です。何も証明できるものがない状態での応募が一番苦しくなります。
Q. CCNAとLPIC、どちらが先ですか?
どちらも有効な資格ですが、迷ったら志望する仕事の軸で選んでください。サーバー寄りならLPIC、ネットワーク寄りならCCNAが定番です。決めきれない場合は、先にLinuxとネットワーク両方の基礎学習を終えてから、面白いと感じたほうの資格に進むと失敗が少ないです。